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指導者おすすめ書籍

東京インディペンデンツの指導者が今まで読んでおすすめできる、野球関連の書籍をご紹介します。

マネー・ボール 奇跡のチームをつくった男

2000年代前半、オークランド・アスレチックスはMLB最低クラスの総年俸でありながら黄金時代を築いた。特に2002年は総年俸1位のニューヨーク・ヤンキースの1/3程度の総年俸ながら全30球団中最多の勝利数を記録した。「アスレチックスはなぜ強いのか?」多くの野球ファンが感じていた疑問の答えは、ビリー・ビーンGMによる徹底したセイバーメトリクス(野球における統計学的な分析手法)に基づくチーム編成にありました。今ではMLBで当たり前のように使われているセイバーメトリクスを最初に活用したビリー・ビーンが内外から挙がる批判や旧来型の野球観と戦いながらチームを改革していく様が、ドキュメンタリータッチで描かれています。

野球人の錯覚

「延長戦は後攻が有利」「ラッキーセブンに点は入りやすい」「ホームランやエラーは流れを変える」「チャンスの後にピンチあり」「盗塁、送りバントは有効な戦術」等、野球界には様々な通説、セオリー、ジンクス等があります。本書では、データを徹底的に分析することにより、これらがあくまで印象や感覚から来る錯覚に過ぎないことを実証しています。

新時代の野球データ論 フライボール革命のメカニズム

最先端のデータとスポーツ科学を駆使した「新しい野球の教科書」です。「打撃編・投手編・育成編」と3つのパートに分け、「上から叩くな! 新しいスイング理論」「ノビのあるボールの正体とは?」「ピッチングは何歳で教えたら良いの?」等、野球界でよく聞く理論や定説を科学的に分析し検証しています。そこからは日本で従来から正しいとされてきた野球理論の矛盾点が浮かび上がってきます。また、オリックス・バファローズ吉田正尚選手やシアトル・マリナーズ菊池雄星選手が、データとどのように向き合い、試合や練習でどう活用しているかを語っています。

高校球児に伝えたい! ラテンアメリカ式メジャー直結練習法

カリブの小国・ドミニカ共和国がなぜ多くのメジャーリーガーを輩出しているのか。その秘訣は、勝利至上主義が蔓延る日本の野球界とは真逆の、きちんとした理念に基づく長期的視野に立った育成方法にあります。本書では、何度もドミニカを訪れた経験のある立教大学野球部の元主将である著者が分かりやすく解説しています 。

セイバーメトリクス入門 脱常識で野球を科学する

「大切なのは、細かい数字を操作して理論を並べることではありません。客観的なデータとロジックという強力な道具を駆使して、野球の世界を新しい目線で見直して再発見することなのです」本書では、アメリカ発祥の野球における統計学的分析手法「セイバーメトリクス」の要点を的確にとらえ分かりやすく解説しています。また、送りバントや盗塁、敬遠等の試合で多用される戦術の有効性についても検証しています。

基礎から学ぶ!メンタルトレーニング

高妻 容一氏は、日本メンタルトレーニングの第一人者。数々の本を出版されていますが、基礎編ということでわかりやすかったです。昔から言われる「心技体」の「心」を鍛えるトレーニング。具体的な取り組み方が書いてあり、その効果も含めてシンプルにまとめてあります。技術、体力のトレーニングとは違い、メンタルトレーニングは、いつでもできるという内容でした。学校の授業中も、メンタルトレーニングはできる、とのこと。苦手な授業でも、自分の興味ある内容に関連付けて考えることが一種のメンタルトレーニングということで、スポーツ以外にも、十分役立つ内容でした。
・目標を立てること・野球日誌・大きな声であいさつをすること・サイキングアップ(試合前選手全員で行う決めポーズ)
の4つは、すぐに取り入れられるものですね。

クオリティピッチング

元メジャーリーガー黒田博樹選手の本です。最近は、ダルビッシュ有の変化球バイブルや金子千尋の変化球バイブル―七色の魔球のすべてがこの1冊に などのように現役選手が監修した本が増えています。この本も、黒田選手が監修しています。
ちょっと古いですが、2012年度の印象深い対決をこと細かく解説している本書。なにより、1球1球に明確な意図があることがわかります。 黒田選手はコントロールのいい投手、という評価を得ていますが、本人は学生時代はノーコンで今も変わらない、と言っています。違う部分はコントロールがいいと思わせるテクニックを身に着けたことのようです。 柔軟な発想力で現状の課題を打破する黒田選手は
・常識にとらわれない自由な発想・状況に応じていかようにもできる応用力
を感じました。しかし、これは黒田選手がすべての行動を明確な目標達成に向けるよう意識しているから。当時の明確な目標は長くメジャーリーグのマウンドに立つこと。そのために、いままでの常識を覆すような発想、練習メニュー、プレースタイルを随時アップデートしているんだな、と感じました。
他のメジャーリーグでプレーしている(していた)選手は、多くは黒田選手よりも素質に優れた人もいたと思います。しかし、これほどメジャーリーグに適応した日本人選手はいないのでは、と感じました。目標を明確にし、既存の練習内容や常識にとらわれていないか疑いながら、すべてのメニューに明確な意図を持つことの大切さを知るには、むしろ指導者が読んだ方がいいかもしれません。

アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた

日本の少年野球でプレーしていた選手とその家族が父親の転勤でアメリカに行くことになり、アメリカの少年野球を経験することに。日本とアメリカの違いを書いた一冊です。
日米では、学生のスポーツに対する取り組み方が違うことは知識として知っていました。1年中、同じスポーツをする日本。シーズンによっていろんなスポーツをするアメリカ。私は、少年期はいろんなスポーツをした方がいいと思ってます。でも、違いはそれだけではありませんでした。同じ少年野球でもレベルに合わせたチームが沢山あるということが衝撃でした。
州チャンピオンを目指すチーム。そのチームに入る、選抜テスト。落ちてしまっても、入るチームのある救済システム。
さながら、メジャーリーグの縮小版です。同じチームでプレーし続けるのが当然の日本とは全然違います(終身雇用文化ですね)。
私も同じチームで続けることが当然と思っていましたが、この本を読んで、レベルにあったチームでプレーすることもいいのだろうな、と思いました。そして、プライベートレッスンは当たり前の文化。日本でもプライベートレッスンの文化が出来つつありますが、まだまだこれからですよね。その反面、毎年メンバーが入れ替わるので日本のようなチームワーク(保護者を含めて)は難しいのかも。自分の意思をしっかり伝えないと毎回バントさせられてしまうという事実。少年野球を通し、それぞれの国の教育システムがどうなっているか、どのように人間形成されていくか、子育て観の違いがよくわかる本でした。